見どころ満載の館山中心部の祭り 御船や山車の魅力を堪能あれ

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出典:南房総花海街道

現在の館山市の中心部である館山中部は非常に祭りの盛んな地域です。

館山の中でも、この館山中部にはそれぞれの地域で、独自の祭り文化が存在しています。

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御船「明神丸」

館山地区の中でも、市の中心部に位置しているのが「新井地区」です。

新井地区は現在でも館山市の中心として発展を続け、「みなとオアシス」や「館山夕日桟橋」などの観光地も多い場所ですが、この新井地区の最大の名物となっているのが「明神丸」です。

これは車輪の上に船をかたどった山車のようなもので、館山の祭りには欠かせない「御船」と呼ばれるもの。

新井はかつては里見水軍の拠点ともなっていた場所で、そのため船が特に大事な存在となっていました。

新井の御船である「明神丸」は100年以上前に作られたという非常に貴重なもので、その間、大小の修復を繰り返しながら現在も祭りの主役となっています。

また明神丸が出祭の際には、「御船歌」が歌われ、こちらも新井のお祭りにはなくてはならない存在で、保存会も作られて未来に継承されていく貴重なもの。

そのほかにも新井のお祭りは勇壮なことで有名で、若衆の威勢のよさとスピーディな引き回しは祭りの名物となっています。

8月2日に行われる引き回しでは、新井の御船が先頭を走ることが伝統となっていて、坂道を一気に駆け上がり、夕暮れの歩行者天国を猛スピードで突っ走る様子はいかにも館山の祭りといった荒々しい勇壮さに満ちています。

新井のお祭り囃子も、里見水軍の出陣太鼓から受け継がれたという独特のリズムとテンポを持っているものなので、こちらもぜひ一度は耳にしたいものと言われています。

館山地区には新井以外にも個性的な場所がありますが、お祭りのときに楽しんでみたいのはそれぞれの地区が誇る自慢の神輿や山車です。

特に館山地区下町の山車は大きさと華やかさが特徴です。

下町の山車は囃子方が乗る屋根の上には「牛若丸と弁慶」、幕には「ボタンに獅子」、そのほか欄干に至るまで所狭しとぎっしりと彫刻で埋め尽くされています。

また下町では踊りが大切にされていて、八月の館山の合同祭礼では、一日目の夜に昔から伝わっている「きつね踊り」が披露、モチ投げなども行われ、古き良き時代のお祭りの雰囲気を今に伝えています。

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長須賀の「屋台」

館山地区に隣接する長須賀地区で有名なのが「屋台」です。

屋台というとお祭りのとき、神社の境内に並ぶ食べ物やお面、輪投げといった出店のことを想像するかもしれませんが、こちらでいう屋台はそれとは違うものです。

館山のお祭りでいう屋台とは、町中を引き回される車輪のついた大きな舞台のことを指しています。

山車にも似ていますが、神様のものである山車とは異なり、屋台はあくまでも庶民のためのもの。

特に長須賀の屋台は子供たちにもっとお祭りを楽しんでもらおうと、町内から寄付を募って建造されたもので、しかも市内でも最大級の大きさで、地元の人たちの誇りになっています。

長須賀の屋台は舞台が前方にせり出すなど、各所に工夫が凝らされていて、子供だけでなく大人にも大人気です。

ただし、屋台の引き回しでは「引手が主役」と言われていて、地元の人たちが掛け声と太鼓に合わせて、屋台を狭い路地の中まで引き回す風景は長須賀のお祭りならではのものです。

近頃はなかなか祭りの人手が不足するなどして、規模の縮小などが行われることもありますが、長須賀の祭りは今でも町内が一丸となって盛んに行われる貴重な存在と言えるでしょう。

山車の作法にも注目!

館山中部の北条地区は、館山地区と並ぶ安房の中心地です。

江戸時代には「房総往還」呼ばれた街道沿いの町であったため江戸への重要な陸路として発展、また明治後は安房北条駅が誕生したこともあり、館山の中でももっとも繁華な場所として知られています。

北条地区の自慢は何と言っても「山車」です。

安房最大のお祭りである「安房国司祭り」(やわたんまち)にも出祭する山車は非常に大型のもので、非常に堂々とした存在です。

特に有名なのが「南町」や「六軒町」の山車。南町は職人の町、六軒町は江戸初期に房州の漁業開拓者が作った町として知られ、それぞれが太閤するように大きな山車で祭りを盛り上げます。

南町の山車の引き回しには昔からの作法が今でも生きていて、太鼓や囃子、鉦、踊りなどに至るまで他の地区とは細かい違いがあります。

それ以外にも、鶴谷八幡宮に入祭するときにも昔からの習わしがあり、一の鳥居をくぐったところでまず山車を止め、全員が二升の酒を飲み干します。

さらに二の鳥居をくぐったところでまた山車を止め一升の酒を飲み干すという伝統もあるのだとか。いかにも館山らしい祭りの風習です。

一方の六軒町の山車が入祭のときには、勢いをつけた山車を鳥居をくぐったところで一度とめて、そこで女衆たちが「百人踊り」を披露します。

そこから今度は拝殿まで一気に山車を走らせるというのが六軒町の山車の作法です。

こういったそれぞれの地区による祭りの作法の違いを見つけるのも館山の祭りならではの楽しみと言えるかもしれません。

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