「安房人の気質」については様々なことが言われています。
おおらかでのんびりしていると言われる反面、お金に厳しいといわれること。
女性の場合は、とても気が強いという説もあります。
一体、安房の人の性格とはどのようなものなのでしょうか。
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あばら骨が足りない?
安房の人の気質を表す言葉として「房州人はあばらが一本足りない」というものがあります。
あばらというのは、あばら骨のこと。
それが一本足りないというのはどういう意味なのでしょうか。
「足りない」というと悪い意味かと考えてしまいますが、決してそれだけとは言い切れません。
「あばらが一本足りない」という言葉は良い意味でつかわれることもあるのです。
毎日穏やかで人と争うことがない、大事なところがちょっと抜けていることもあるけれど、細かいことを気にしないおおらかな性格、そんな安房人の気質を表すときに「あばらが一本足りない」と言われることがあります。
こういった気質には、安房の気候が関係しているとも言われています。
安房は関東でももっとも暖かくて温暖な気候。
また海も近いことから農産物や海産物も豊富です。
そのためあくせくしなくても、豊かな生活を送れたことがのんびりした気質の原因ではないかとも言われています。
また台風や時化のときなど海に出ることができなくても、それは人間の努力ではどうしようもないもの。
そのため、あわてても仕方がないということが骨身にしみこんでいるともいえるのではないでしょうか。
安房人はお金にうるさい?
「安房の人はお金にうるさい」という説もあります。
お金の勘定に細かいだけでなく、実は非常に商売上手だというのですが、これも実は安房人のルーツに関係があります。
安房の人たちの中には「阿波」を祖先に持つ人たちが大勢います。
「阿波」というのは現在の徳島のことですが、徳島は全国で活躍した「阿波商人」が有名な場所。
最近では「社長になった人が一番多い県」という統計もあるほどで、そんな阿波をルーツに持つ安房人は、お金の計算に長け、商売上手になったのではないかと考えられています。
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安房の女性は気が強い?
房州名物のひとつとして挙げられるのが「かかあ天下」。
それではなぜ、安房の女性は気が強いと言われるのでしょうか。
ここにも海のそばの場所ならではの事情があると考えられます。
安房は多くの人が漁業に携わる土地柄ですが、江戸から明治にかけて特に盛んだったのがマグロ漁です。
このマグロ漁は非常に多くの収入を得られる反面、冬の荒れた海に出なければいけないため、大きな危険をともなうものでした。
そのため、マグロ漁船のことを後家、つまり未亡人となる女性を作る船ということで「後家船」とも呼んだほど。
そんな夫を待つために女性は強くならなくてはいけなかったのです。
また、漁で夫を亡くしたとしても、女性はその後も残された子供を育てながらたくましく生きなければいけません。
そんなことから「安房の女性は気が強い」といわれるようになったのではないかと考えられています。
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