「日本一おいしいごはん給食を目指して」南房総市の食農教育がすごい!

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南房総市は、千葉県の南部に位置する自然豊かな街です。

漁業や農業が盛んで、まさに食材の宝庫。

南房総市ではそんな地元の豊かな食材を生かし、独自の食育に取り組んでいます。

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食農教育の一環としての給食

「給食」といえば、子どもたちが大好きな時間の一つ。

そんな学校給食の始まりは、山形の小学校だといわれています。

家が貧しくお弁当を持ってこられない子どものために無料でおにぎりなどを配ったのだそうです。

この取り組みが全国に広まり現在の学校給食の形になったのです。

現在では「お弁当を持ってこられない」という子どもは少ないかもしれません。

しかし学校給食は、「食育」を行うための大切な時間となっています。

家では好き嫌いが多い子どもでも、学校の給食だと食べられることもあります。

家ではできない「食育」ができるのが、給食の良さなのです。

南房総市では土地の理を生かし、学習の中に食農教育を取り入れています。

南房総学推進事業

「南房総市への誇りと強い思い」を育てるため、総合的な学習の時間や特別活動を中心に、各教科の指導を関連させながら地域を学ぶ学習としての南房総学を展開しています。

地域の自然や産業、伝統文化を学び、体験する中で「南房総市に残っても、離れても、どこに行っても支えとなる故郷への思い」を持つ子どもの育成を進めることとしています。

具体的には南房総市教育の指針を中心に、食農教育と関連させながら一次産業を中心にした実体験をともなう学習に取り組んでいます。

・地域の特色(自然、産業、歴史、文化など)を活かした展開
・地域との連携(漁業・農業・観光業等従事者、高齢者、福祉関係者、郷土史家など)
・地産地消さらに「自産自消」を活かした食農教育の展開
・「日本一おいしいご飯給食」の提供(食生活改善の提案)
引用:南房総市 

南房総市の食農教育の中で、ひときわ目を引く取り組みが「給食」です。

南房総市では、2011年から市内の幼稚園、小学校、中学校で「完全ごはん給食」を導入しているのです。

南房総市は、全国有数の米の産地。地元で作られたコシヒカリを主食としたごはん給食を毎日提供しています。

これは南房総市で取り組む「食農教育」を意識しての取り組みです。

では南房総市の給食を通した食農教育とはどのようなものなのでしょうか?

南房総市の給食が目指すもの

南房総市の給食は、「食農教育」の観点から以下の3つの柱が重視されています。

  1. 地産地消の推進
  2. 和食中心の献立
  3. 子供に食べさせたい食

地産地消の推進

南房総市は先述したように、コシヒカリの産地です。

それ以外にも自然にはぐくまれた海の幸、山の幸が豊富にあります。

地域の生産者とネットワークを作り、地元産の旬の食材を生かした献立づくりを実現しています。

普段食べなれない和食の献立も、地元のおいしい食材を使ったものなら子どもたちも喜びそうですよね。

和食中心の献立

「日本伝統の味」や、「郷土伝統の味」は、家庭で作ることは少なくなっているかもしれません。

でも学校給食を和食中心の献立にすることで、その味を子どもたちに伝えていくことができます。

給食で食べたことがきっかけで、再び家庭の食卓にのぼることもあるかもしれませんね。

また箸の使い方など、基本的な食事のマナーを身につけることもできます。

子どもに食べさせたい食

最近の子どもは、ハンバーグやスパゲティなどの洋食や、スナック菓子やファーストフードなどが大好き。

でも日常的にこれらを食べていると、栄養バランスが偏りますし、将来生活習慣病になる心配も。

しかし給食の献立を和食にすると、油脂分が少なく栄養バランスの良い理想的な食事が提供でき、食習慣の改善につながります。

このように南房総市の給食は、単に栄養バランスの良いもの。というだけではありません。

南房総市が目指す「日本一おいしい給食」とは、ただおいしいだけの給食ではなく、食農教育を意識し、食習慣改善を目指したものです。

子どもたちが喜ぶメニューを安易に提供するのではなく、子どもたちの体に良い「大人が食べさせたいもの」をおいしく食べてもらえるような給食づくりを心掛けているのです。

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なぜごはんがいいの?

南房総市ではなぜ「完全ごはん食」の給食を取り入れたのでしょうか?

これは単に「地産地消」のためというだけではありません。

ごはん食を取り入れたのには以下のような理由があります。

よく噛むことで食べすぎや虫歯を防ぐ

ごはんはパンに比べ、よく噛む必要があります。

噛むことで唾液がたくさん出るので虫歯になりにくくなったり、満腹感が得られ食べ過ぎを防止することもできます。

腹持ちが良く、脳のエネルギー補給にぴったり

脳の活動エネルギーはブドウ糖です。しかしブドウ糖は、体の中にたくさんためておくことができません。

ブドウ糖が不足してしまうと集中力の低下につながります。

これでは授業中にしっかりと話を聞くことができませんよね。

脳のエネルギー補給にぴったりなのが、実は「ごはん」なのです。

ごはんに含まれるでんぷんは、噛むことでブドウ糖に代わりじわじわと体内に吸収されます。

そのため長時間維持できるのです。

また腹持ちが良いのもごはんのメリット。

空腹で集中力が切れるのを防ぐことができます。

栄養バランスのよい献立にすることができる

すべての給食に「ごはん」を取り入れることで、和食の献立にしやすくなります。

和食のほうが「地産地消」を考慮した献立や、地元の伝統食を取り入れた献立を取り入れやすくなります。

また和食は、洋食に比べ油分の少ない野菜たっぷりな献立にすることができ、食生活の改善につながります。

ごはん食を毎日取り入れることで、給食に無理なく「食農」を取りいれることができるのです。

このように「ごはん食」には、ごはんそのもののよさもさることながら、ごはん食を取り入れることで食生活の改善ができることや、食農教育を生かしたメニューを作りやすくなるなどのメリットがあるのです。

南房総市の給食は自然の恵みを生かした日本一の給食

南房総市の「日本一おいしいごはん給食」の取り組みは、子どもたちの未来を見据えた素晴らしい取り組みです。

「身土不二」という言葉があります。

これは「人間の体はその土地と切り離せない関係にあり、その土地でとれた旬のものを食べるのが健康に良い」という考え方です。

南房総市の学校給食の取り組みは、まさにこの言葉を体現しているといえるのではないでしょうか?

そしてこの給食は、南房総市の自然の恵みがあったからこそ実現できたもの。

南房総の自然の恵みが詰まったステキな給食。これを毎日食べられる南房総の子どもたちは、ステキな大人に成長しそうですね。

なお、南房総市の給食のメニューが気になる方は、クックパッドの以下のページをのぞいてみてください。

写真とともに作り方が掲載されています。

日本一おいしいご飯給食公式キッチン(クックパッド)

本でご希望の方はアマゾンで購入できます。

南房総市 日本一おいしいごはん給食 (TWJ books)

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