出典:房総town.com
「花嫁街道」は南房総市の和田浦から続く林道です。
かつて花嫁行列が通ったという古い道は、現在では整備が進められて市民に愛されるハイキングコースとなっています。
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花嫁街道の由来
出典:南房総市
現在、花嫁街道と呼ばれている道は、かつて山間にある上三原の集落と和田浦とをつなぐ重要な生活道路でした。
和田浦は江戸時代が始まる前から非常に発展していた港町で、その和田浦に生活の物資を求めて多くの人が花嫁街道を往来しました。
また上三原の集落には、源頼朝の伝説にも伝わる名馬「スルスミ」を生んだと言い伝えられるスルス集落や里見氏にまつわる伝説が残る五十蔵集落などもあり、非常に人口の多かった場所で、和田浦へは馬だけでなく、漁業に必要な竹のかごや樽の材料となる竹が運ばれていきました。
行き来したのは物資だけではなく、山間の集落から和田浦へ、また集落から集落へと嫁ぐ場合、多くの女性がこの花嫁街道を花嫁行列で通ったことから、花嫁街道と呼ばれるようになりました。
やがて自家用車が普及するようになると花嫁街道の役割は少なくなっていきました。
現在は自然の豊かで、歩きやすいハイキングコースとしての人気が高まっています。
花嫁街道ハイキングの見どころ
出典:南房総市
花嫁街道ハイキングコースは全長約13キロ、ゆっくり歩くと5時間程度で歩くことができるコースです。
少し長いように感じるかもしれませんが、高低差が少ないため、普段歩きなれていない人でも安心して挑戦できるコースです。
またコースの途中にはいくつかの見どころもあり、退屈せずに楽しんで歩くことができる道となっています。
花嫁街道の中の最大の見どころといえば、烏場山から見える絶景です。
烏場山は「新日本百名山」にも選ばれた山で、標高は約266メートルと高さはそれほどではありませんが、周囲に遮るものがないため、嶺岡・経塚山・御殿山・伊予ヶ岳など房総の山々はもちろん、伊豆半島や伊豆大島、富士山などを望むことができます。
また、「黒滝」も花嫁街道ハイキングコースの見どころのひとつです。
ここは長者川の中流にある滝で、花園山の水を集めて一気に落ちる落差15メートルの滝が有名です。
ここは房総半島では珍しい一本滝として知られていて、ハイキングの途中の憩いのひとときを提供してくれます。
この近くにある「向西坊入定窟(こうさいぼうにゅじょうくつ)」も有名なスポット。
ここは赤穂浪士の一人であった片岡源五右衛門高房の下僕だった「元助」という人物が、切腹した主人の魂をなぐさめるために出家、その後、断食して念仏を唱えながら過ごした岩窟で、南房総市の文化財として指定されています。
この周辺は、花嫁街道の中でも特に静けさの漂う場所として知られ、疲れた心と身体を休めるのにはぴったりです。
もう少し歩くと「元朝桜」の名所として知られる「抱湖園」などもあり、花の季節には菜の花とのコントラストを楽しむこともできます。
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向西坊入定窟(こうさいぼうにゅうじょうくつ)
黒滝と向西坊入定の地
長者川の中流の樹木がうっそうと茂る中、あたりの静かな空気をふるわせて水音が聞こえます。
この黒滝は、花園奥地の水を集めて一気に落ちる落差15メートルの滝です。
この滝つぼの右上のところに、向西坊が入定した岩窟(いわや)があります。
向西坊は名を元助といい、赤穂47士の一人片岡源五右エ門高房(かたおかげんごうえもんたかふさ)の家僕で主人に大事に仕え、その忠義は大石内蔵助をも感動させました。
元禄15年12月14日(1702年)47士は、吉良邸に討ち入りし本懐を遂げました。
赤穂47士切腹自裁の後、元助は47士の菩提を手厚く弔い故郷東上秋間の岩戸山(現在の群馬県安中市)に47士と殊勲の浅野内匠頭公夫妻(あさのたくみのかみこうふさい)の石像及び供養塔を建立しました。
その後、向西坊と名のり全国を行脚し、やがてこの地にたどりつき黒滝を愛し村人からも慕われ静かな晩年を送っていましたが、自分の天命を知ると滝の側の岩窟に入り「予を念ずれば火難諸災難(かなんしょさいなん)を除き、家内安全、五福寿を増長せしむ」と遺言し入り口を閉じて食を絶ち、念仏を唱え自ら入定しました。
時、享保17年(1732年)9月30日、53歳。
ここ花園集落では、今も遺徳を偲んで毎年供養祭を行っています。
向西坊は、また次のような歌を詠んでいます。
「折々は濁りもやせん黒滝の水も浮世の中を流れて」
引用:南房総市教育委員会
アクセス
花嫁街道(花婿コース)
住所:千葉県南房総市和田町仁我浦295-3
駐車場 あり
交通アクセス
車
館山道君津IC~房総スカイライン~花嫁街道入口(約1時間)
電車
JR内房線和田浦駅下車 徒歩30分
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