いすみ鉄道 「なにもない」がある最高のキャッチコピー

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「いすみ鉄道」は南房総の中央部を走る鉄道です。

大原駅から上総中野駅までの約27キロを結ぶローカル線ですが、鉄道マニアだけでなく、全国にもファンを持つ鉄道として知られる注目の存在です。

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いすみ鉄道の歴史

出典:いすみ鉄道

いすみ鉄道が誕生したのは昭和62年のこと。

それまで、この区間には大原と大喜多を結ぶ「木原線」という鉄道が走っていました。

これは大正時代に開業が計画された路線で、木更津と大原を結ぶ線路ということで「木原線」と名付けられていました。

当時の沿線は人口が少なく、木更津までの路線延長の計画も停滞、木原線自体の経営も悪化し、昭和63年に廃線となると同時に千葉県や大多喜町、いすみ市が株主となって経営を引き継ぐ第三セクター方式の路線いすみ鉄道が新しく開業されました。

「ムーミン列車」の登場

いすみ鉄道となってからも経営は悪化。

平成16年には最終列車の時間を繰り上げるなどしましたが、輸送人数が開業時の半分以下にまで落ち込むなど、苦戦が続き、存続の危機を向かえることになりました。

それをきっかけに民間人から経営者を公募、そこで選ばれたのがブリティッシュ・エアウェイズ社の旅客運航部長という経歴を持っていた鳥塚亮さんでした。

実は父親が勝浦の出身で、幼いころからいすみ鉄道には格別の思い入れがあったという鳥塚さん。

新幹線の運転士を目指したこともありましたが、国鉄民営化直後ということもあり、新卒採用がなかったため仕方なく航空会社に就職したという人物。

副業として鉄道の先頭車両から撮影した映像をDVD化して販売していたこともあるという筋金入りの鉄道ファンでした。

そんな鳥塚さんがまず取り組んだのがいすみ鉄道のブランド化。

その戦略の一環として人気キャラクターの「ムーミン」をプリントした車両を運行、それがかわいいと女性を中心に大ヒットします。

さらに春になると周囲を埋め尽くす菜の花の美しさも次第に知られるようになり、沿線のあちこちにはムーミンキャラクターのフィギュアが置かれたり、ムーミンといすみ鉄道のコラボグッズも大ヒットし、いすみ鉄道は息を吹き返すようになりました。

著者:鳥塚亮

ローカル線で地域を元気にする方法: いすみ鉄道公募社長の昭和流ビジネス論

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「なにもない」がある

いすみ鉄道のポスターに書かれたキャッチコピーは「ここには“なにもない”があります」。

たしかにムーミン列車はありますが、それ以外には目立つものは何もない場所。

しかしそれが逆に魅力になることを伝える名コピーとして評判となりました。

しかし「なにもない」とは言いながらも、いすみ鉄道沿線には豊かな自然が広がっています。

また、「国吉駅」の近くにはブルートレインや旧国鉄など、キャリアを終えた車両がのんびりと展示される「ポッポの丘」があり、そのほかにも徳川四天王の一人だった「本多忠勝」の居城だった「大多喜城」やその城下町など見どころもいろいろ。

土日には房総の名物を詰め込んだお弁当などの販売も行われています。

そんないすみ鉄道は今日も多くの乗客を迎えています。

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アクセス

いすみ鉄道株式会社

住所:千葉県夷隅郡大多喜町大多喜264

TEL:0470-82-2161

交通アクセス

千葉方面から

館山自動車道市原IC~国道297号~大多喜

(約50分)約33km

アクアラインから

館山自動車木更津東IC~圏央道市原鶴舞IC~国道297号~大多喜

(約30分)約26km

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