「ジビエ」とは、飼育されている牛や豚、鶏ではなく、狩猟で手に入れた野生の鳥獣の肉を利用して提供される料理のことです。
フランス料理では限られた季節にしか味わえない高級料理として知られ、日本でもじわじわと人気が盛り上がっています。
実は南房総でも、最近ジビエに大きな注目が集まっているのです。
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南房総のジビエ料理
南房総のジビエといえば、まず最初に名前が挙がるのは「シカ」。
現代の日本では「シカ」の流通量はそれほど多くはありませんが「もみじ鍋」として古くから愛好されてきたなじみ深いで、近年では脂身の少ない高たんぱくの赤身肉として人気が高まっています。
さらに鹿肉には魚介類などに含まれているDHAや、豊富な鉄分なども含まれていて、健康志向のグルメに大きな人気となっています。
フランスなどではローストして食べるのが一般的で、高級食材として珍重され、正式な晩餐会などではメニューとして頻繁に登場します。
南房総のジビエのもうひとつの代表が「イノシシ肉」。
イノシシは「牡丹鍋」などが有名で、身体を温める効果が高いと言われ、日本では滋養強壮食として昔から親しまれてきたジビエです。
「イノシシ肉」といえば、臭みが強いといわれますが、これは実は後処理の悪さが原因。
きちんと血抜きを行うことだけでもずいぶん臭みは軽減されます。
イノシシの胆のうから分泌される胆汁は臭みの原因となるため、この胆のうと血液の処理が正しく行われたイノシシの肉は非常に滋味深い味わいです。
イノシシ肉は見た目からすると非常に脂っぽい肉だと思われがちですが、実はこの白い部分のほとんどはコラーゲン。
そのため、女性にもオススメできるジビエなのです。
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日本のジビエの歴史
鹿肉もイノシシ肉も現代の日本ではなかなか見かけることはありませんが、実は日本人も古くからジビエと親しんでいました。
その歴史は縄文時代にまでさかのぼりますが、やがて仏教が伝わってくると動物の殺生が禁止されるようになり、貴族や僧侶の間ではジビエだけでなくあらゆる肉食が禁忌となりました。
やがて貴族に変わり武士が権力を握るようになります。
上流階級となった武士は建前上、牛や豚といった肉食を避け、それは明治時代まで続きます。
しかし、庶民の間では、鹿はイノシシはもちろん、クマやウサギなども食肉として扱われ、ウサギを「一匹二匹」ではなく「一羽二羽」と数えるのも、ウサギを鳥だと偽って食べた名残だと言われています。
そのジビエが現在ブームとなっているのは西洋文化の影響だけではありません。
鹿やイノシシの数がここ数年急激に増加、原因は捕食動物の絶滅やハンターの減少、山の環境の悪化などが挙げられますが、その増えた鹿やイノシシが田畑を荒らすなどして農家は大きなダメージを被るようになりました。
館山・南房総ではジビエ文化を盛り上げるとともに、動物による被害やその対策などを紹介、自然と共生する暮らしの実現を目指しています。
ジビエ料理が食べられるお店
狩人料理 またぎ
住所:千葉県鴨川市天津3474
TEL:0470-94-1448
完全予約制
座席数:12人
営業時間:予約にて問い合わせ
駐車場:1~2台
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