「小中一貫教育」をご存知でしょうか?
小中一貫教育は、平成16年に当時の文科省大臣が発表した「義務教育の改革案」の中で6・3制(日本の義務教育制度)の柔軟的運用が取り上げられたことから、注目を集めました。
鴨川市でも小中一貫教育が取り入れられているのですが、その方法独特で、小・中学生のギャップをなくすということなのです。
では、どういった方法で小・中学生のギャップをなくしているのでしょうか?
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目次
鴨川市には独自の教育がたくさん!
鴨川市は千葉県南東部に位置する太平洋に面した温暖な気候の土地です。
観光やサーフィンなどで訪れる方も多く、リゾート地としても知られています。
そんな鴨川市は、「土曜スクール」や「大学交流事業」などさまざまな独自の教育を取り入れていることでも有名です。
鴨川市独自の教育の一つに、「小中一貫教育」もあります。
「中高一貫教育」はよく聞きますが、小中一貫教育はあまり聞きなれないという方も多いかもしれません。
中高一貫教育は、主に大学受験など学習面におけるメリットが大きいのですが、小中一貫教育には学習面だけではないメリットがたくさんあるとされています。
小中一貫教育にはメリットいっぱい
現在の6・3制の教育は、1947年度から採用されてきました。
それから長い年月が経ち子どもたちの成長の仕方は始まった当時とは変化しています。
そのせいか、最近では中学校に上がってからの問題行動の増加や、不登校児の増加などさまざまな課題が浮き彫りになってきています。
この問題を解消する策の一つとして、小中一貫教育が上げられているのです。
小中一貫教育のメリットには以下のようなことが主に上げられています。
中1ギャップを防ぐ
小学校と中学校の間には大きな違いがあります。この違いになかなか適応できないことを「中1ギャップ」といいます。
中1ギャップがこじれることで不登校になる子も少なくないようです。
小中一貫教育にすることで、これを防ぐことができます。
一貫性のある指導ができる
6・3制は、小学校での指導の仕方と中学校での指導の仕方ががらっと変わってしまうので、今まで積み上げてきたものがゼロになってしまうことがあります。
そのため「小学校ではできていたのに中学校でできなくなった」とか、「小学校でもっとしっかり指導をして欲しかった」とお互いに批判し合うという事態になることも。
子どもは「小学校ではこう言われたのに、中学校ではそのやり方はダメだと言われた」など指導に一貫性がないため混乱してしまいます。
しかし小中一貫教育にすることで、一貫性のある指導ができるようになります。
子どもの発達段階に合わせた指導ができる
子どもの発達は、ひとりひとり大きく異なります。
小学校の高学年あたりから中学生と変わらないような子もいれば、中学校に行っても小学生と変わらないような子もいます。
これは見た目だけではなく、心の面や学習の面においても同様です。
しかし9年間をひとくくりで指導することで、もっと柔軟に子どもの発達に合わせた指導をすることが可能になります。
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鴨川市のいいところを生かした小中一貫教育
鴨川市で行われている小中一貫教育は、統合型と呼ばれるものと、分離型と呼ばれるものの2つがあります。
統合型とは、同じ敷地の中で小・中9年間のカリキュラムを行うことを言い、分離型とは小・中別の校舎でお互いに連携や交流を強化しながら一貫した教育を行うことを言います。
鴨川市での小中一貫教育の導入は、もともとは少子化により学校の規模が縮小することを防ぐ目的で始まりました。
そのため小中一貫教育が単なる「中1ギャップの解消」や「問題行動の軽減」という目的だけではなく、「いかに教育的可能性を広げるか」という視点で取り入れられています。
この点が鴨川市の小中一貫教育のよいところなのです。
鴨川市として小中一貫教育で目指すビジョンは、「学んでよかった、住んでよかったと実感できる鴨川市~夢と目標を持ち、市民みんなが輝く鴨川教育~」です。
また教育重点目標は「豊かに生きる力を身につけよう」としています。
鴨川市の小中一貫教育は3つの中学校区で行われており、それぞれがこの目標を目指し、地域の特色を生かしたカリキュラムを取り入れています。
どの地域でも意識している点が、「地域に根差した教育」です。
鴨川の自然を生かしたプログラムや、文化を学ぶプログラムなど体験型の活動が数多く取り入れられています。
時には地域の方が先生となったりボランティアとして学校の活動を支援したりすることも。
これは人と人とのつながりが強く、自然豊かな鴨川市ならではのプログラムです。
このように鴨川市の小中一貫教育は、鴨川市の地域性を生かした独自のプログラムが取り入れられている点が、他の地域で行われているものとは一線を画しています。
子供の成長を促す鴨川市の小中一貫教育
鴨川市ではこのように、小・中の連携を強め小中一貫教育を行うことで、9年間という長い期間を使って、学力形成や人間形成をじっくりと行っているのです。
小中一貫教育が取り入れられていない地域では、小学校の先生と中学校の先生との間に大きなギャップがあり、戸惑いを覚えることがあるという声が聞こえます。
また、小学校でせっかく築いたものが中学校に行ったとたんに崩れてしまうこともあり、「小学校で違う教え方をしてくれていたら中学校で困らなかったのに」という声さえあります。
小学校と中学校が連携し連続した教育を行うことができれば、子どもの指導が分断されず一貫した指導ができるので、大きな成長が期待できそうです。
こんなステキな教育を受けた鴨川市の子どもたち、将来どのような大人に成長するのか楽しみですね。
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