「落花生」は千葉を代表する農産物のひとつ。
千葉県産の落花生は国内生産高で全国一を誇っていますが、中でも館山の落花生がいま注目を集めています。
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なぜ落花生といえば千葉?
落花生と人類の関わりは古く、なんと紀元前2500年までさかのぼることができると言います。
その年代のものと思われるペルーの遺跡からは大量に落花生のカラが出土、その後メキシコなど南米を中心に広がります。
やがて、大航海時代になると落花生はヨーロッパにまで広がり、日本には18世紀の初めに東アジアから伝えられました。
明治になると政府が栽培を奨励、千葉県では明治9年ごろ現在の山武市の農家が栽培を始めたのが最初だと言われています。
大正時代になると落花生栽培は千葉全域に広がり、戦後には栄養価の高い食品として価格が上昇、そのため多くの農家が落花生栽培を始めることとなりました。
千葉県は北部を火山灰が堆積した地層。
南部は海岸線と水には恵まれず、かつてはなかなか栽培に適した植物が見つかりませんでした。
しかし、落花生はやせた土地でも栽培が可能で、同時に土を豊かにする働きもあることから盛んに栽培され、全国の他の産地が他の作物に転作するなかでも栽培量を落とすことなく生産を続けたのです。
そして、現在のように落花生といえば千葉県という構図が出来上がることとなったのです。
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館山の茹で落花生
かつては高栄養価の食品として注目されていたものの、他にも様々な食べ物が豊富に流通する時代になると、落花生の消費量は少しずつ減少していきました。
平成になると、新しい食べ方で注目されるようになります。
それが茹でた落花生。
通常の落花生は炒ることで火を通し、かつ日持ちが効くように加工されていましたが、茹でた落花生は独特の食感で甘みが強く、本来はこちらのほうが美味しい食べ方とされていました。
しかし、日持ちが効かず、新鮮な落花生でしか味わうことができなかったため、茹で落花生は産地の人々しか知らない食べ方でした。
流通や保存の技術が向上、食材新鮮な状態で産地から食卓まで届けられるようになり、茹で落花生に注目が集まるようになりました。
特に人気があるのが「おおまさり」という品種。
これは通常のものよりサイズが大きく、茹で落花生として食べるには最適なものをということで開発されたもの。
館山ではこの「おおまさり」の生産に力を入れていて、他の産地では冷凍や加工品として流通させているところを、館山の「おおまさり」は農家がとれたてを直接販売。
そのため「館山の落花生」は他のものとは一味ちがうと大きな評判を集めるようになりました。
現在では「茹で落花生」だけでなく、砂糖の衣をまぶした「みぞれ落花生」や落花生のフレーバーを楽しめるソフトクリームなども売り出され、県外からも多くの人がこれを目当てに訪れる新名物となっています。
お土産や取り寄せも美味しいものですが、現地に来ればより美味しさが味わえる落花生。
館山にお越しの際は、ぜひ本場の味を楽しんでいただきたいものです。
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