「沖ノ島」は館山湾に浮かぶ小さな島です。
島の周囲は約一キロ、島全体が国定公園に指定されていて、周囲にはサンゴなども生息する自然豊かな非常に美しい島です。
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海岸から歩いて行ける島
沖ノ島の最大の特徴は、「館山湾から歩いて行ける」ということ。
実は沖ノ島は館山湾から陸続きになっていて、砂浜を歩いて島まで行くことができます。
といっても、昔からずっと陸続きだったわけではありません。
明治のころまでは、沖ノ島は文字通り、館山湾の沖合に浮かぶ島でした。
それが陸続きになったのは大正の頃にさかのぼります。
大正12年に関東大震災が発生、房総半島も地震や土砂崩れ、家屋の倒壊など大きな被害を受けました。
特に館山市は被害が大きく、壊滅的な打撃を受けたといいますが、その非常に大きな揺れの力は、海底の地形すらも変えるほど。
沖ノ島近くの海底では約2メートルも隆起します。
昭和5年に「館山海軍航空隊」の基地が作るために沖ノ島周辺に大規模な埋め立てが行われます。
そのため、海岸と沖ノ島の距離が近くなり、そこに潮の流れによって砂が堆積、昭和23年ごろには歩いて行けるほどの量となりました。
現在では沖ノ島は岸から歩いて行ける島という全国でも珍しい存在となっています。
美しい海とサンゴ
沖ノ島の周辺には豊かなサンゴが生息していることでも知られています。
というのも、沖ノ島の周辺は環境省によって行われる水質調査でも毎年最高ランクを与えられるほどの透明度と水質。
その美しい水がサンゴを育て、関東の海水浴場としては少し海に潜るだけでサンゴと出会える貴重な場所となっています。
また、湾の中に南から入って来る黒潮は温度が高く、栄養分が豊富。
さらに沖ノ島には砂が堆積していることで、湾の中では海水がちょうどいいリズムで循環し、そこでサンゴが成長する環境が整っていきます。
生息するサンゴは30種類とも言われていて、夏にはサンゴを眺められることも沖ノ島の人気を支えています。
ちなみに、砂によって海流が遮られるため、沖ノ島は湾の北と南で海の温度が違うという珍しい海としても知られています。
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豊富な自然が見られる島
沖ノ島は豊かな森を持った島としても知られています。
島の中にはタブノキなどの照葉樹はもちろん、南国のソテツやシュロの木なども豊かに茂り、少し歩くだけでもジャングルの中を探検しているような気分が味わえます。
島の中に生息しているのは温帯の植物や、南国気分を盛り上げる「ハマナタマメ」といった海浜植物など、合わせて約240種類とも言われていて自然観察には持ってこいの場所。
また、沖ノ島には平安時代に作られた「宇賀明神(うがみょうじん)」の神社がありますが、こちらのシンボルとなっているのが、ご神木であるタブノキ。
これは樹齢約300年と言われる高さ18メートルを超える巨木です。
非常に神秘的な雰囲気で、写真撮影のスポットとしても近年では大きな人気となっています。
沖ノ島宇賀明神由来器
宇賀明神は嘉保3年~康和元年(1096~1099年)安房守として赴任した安房國司、源親元卿が地域産業の発展を願い、嘉保3年(1096年)倉稲魂(うかのみたま)の神を勧請し鷹ノ島の弁財天と共に建立しました。
倉稲魂のかみは稲作の神、農業神とされるほか漁業神、商業神、福神として平安時代以降、絶えること無く人々の厚い信仰を受けていました。
あらゆる産業の神様です。
一説によると宇賀明神宇賀は「なが-」と同じであるとされ、「なが―」は蛇のことで宇賀は「白い蛇」とも言われています。2000年12月17日沖ノ島宇賀明神再建委員会にて再建され落慶法要が執り行われ現在に至りました。
再建委員会は保存委員会となり以後毎年12月第3日曜日を例祭日と定めますますの豊漁と家内安全さらには館山市の発展を祈っています。
引用:沖ノ島宇賀明神保存委員会
アクセス
沖ノ島公園
住所:千葉県館山市富士見付近
駐車場あり
交通アクセス
車
富津館山道富浦IC~沖ノ島公園(約30分)
電車・バス
JR内房線館山駅西口下車~日東バス「館山航空隊行き」館山航空隊行き下車~徒歩20分
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