安房国司やわたんまち祭りは総勢10万人が集まる安房地域最大の祭り

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「安房国司やわたんまち祭り」は安房地方最大のお祭り。

毎年、十万人を超える人が集まる盛大な規模を誇っています。

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安房国司やわたんまち祭りの由来

安房国司やわたんまち祭りは鶴谷八幡宮の秋祭りですが、その昔、安房の国司が自らお祭りを主催したことで「安房国司祭」と呼ばれるようになりました。

「やわたんまち」とは「八幡の祭り」がなまった表現です。

ちなみに「国司」とは平安時代に中央政府から派遣された官僚のことで、今でいうと県知事のような存在ですが、当時の国司は行政だけでなく、司法や軍事にいたるまで絶大な権利を持った地方における絶対権力者。

そのため、国司が始めたということになれば、天下公認のお祭りにも等しく、安房国司やわたんまち祭りは安房国全体で祝う、その土地最大のお祭りとなりました。

伝説によると、安房国司やわたんまち祭りが始められたのは1070年ごろとのことで、約千年の歴史を誇ることになります。

安房国司やわたんまち祭りが行われるのは鶴谷八幡宮。

鶴谷八幡宮は安房国の「総社」で、安房国にあるすべての神社の神様が祀られている場所です。

鶴谷八幡宮には、安房神社をはじめ、洲宮神社、下立松原神社、手力雄神社など八つの神社が合祀されていましたが、時代を経るごとにさらに多くの神社が合祀されていくようになりました。

開催は9月の2日間

安房国司やわたんまち祭りが行われるのは9月。

最近では、敬老の日の前の土曜と日曜の二日間にかけて実施されます。

以前は、安房国司やわたんまち祭りが行われていたのは9月の14日から16日にかけての三日間でした。

それも曜日に関係なく、宵祭、本祭、過祭という日程で盛大に行われていたのです。

しかし、最近では平日には祭りに参加できない人も多く、深刻な人手不足が起きるようになりました。

また、お祭りの準備や後片付けなども含めると、日程的な余裕はほとんどなくなり、やむを得ず開催日を移動させ、土日の二日間で行われるようになりました。

そんな苦労もあって、安房国司やわたんまち祭りは千葉県の無形文化財に指定、毎年10万人を超える観光客を集めるようになりました。

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神輿と山車の祭典

安房国司やわたんまち祭りの見どころは何と言っても館山各地から集まる神輿や山車です。

館山各地には地元それぞれに神社があり、その神社のお祭りのため、独自の工夫を凝らした神輿や山車が地区の自慢ですが、安房国の総社のお祭りである安房国司やわたんまち祭りには、各地から神輿や山車が集結します。

まず初日には十社の神輿が集合し、勇壮な「もみさし」を中心にした「神輿振」を行います。

「もみさし」というのは、神輿を大きく左右に振ったり、高く掲げ揚げたりする動きのこと。

できるだけ大きく、目立つように動かすことがよい神輿振だとされているため、各地の神輿は鍛え上げた技と勇壮さを披露します。

また、ここに出祭する神輿は担ぎ棒が二本しかない「二本棒」と呼ばれるタイプのもの。

担ぐ棒が二本しかないため、担ぎ手にかかる負担は大きくなりますが、その反面大きく神輿を動かすことができます。

さらに複数の神輿が行き合った場合には、お互いが存在を誇示するような「もみあい」も見ることが可能です。

安房国司やわたんまち祭りでは神輿だけでなく「山車」も見もの。

山車は大きな車輪がついた屋根付きの乗り物で、これも豪華絢爛な装飾が見どころです。

またこちらには囃子方が乗り込むこともあり、笛や太鼓の音で祭りらしい賑やかさも楽しめます。

安房国司やわたんまち祭りの二日間は周辺のあちこちで引き回しが行われますが、特に夕方になると提灯に火が入り、その風景は幻想的の一言です。

さらにもうひとつの見どころは「御船」。

これは館山ならではの引き物で、車輪の上には船をかたどったものが乗り、こちらも踊り手や囃子方が乗り込みます。

これらの山車や御船は初日の夕方になると、南町の交差点に集合、華やかな競演を繰り広げるのが安房国司やわたんまち祭りの見どころのひとつとなっています。

二日目になると祭りの興奮は最高潮に達します。

かつて八幡神社の祭祀として行われていた、殺生を戒める儀式である「放生会」の名残である「お浜出」「神幸祭」などが開催されます。

また八幡宮への宮入りは見どころのひとつ。

年番の山車を先頭にして、山車や御船が大鳥居の前から参道へと参入、山車の中の「人形せり出し」を行います。

その後、山車と御船はJR館山駅の東口に集合し、再びの競演が行われることになります。

そのとき、それぞれの山車はスピードを競い合うように街を疾走。有名な岸和田だんじりにも負けないほどの勢いです。

このように見ていくと分かるように、安房国司やわたんまち祭りはひとつのお祭りというよりも、周辺の地域が手を携えて行う、複数の祭りの集合体。

神輿や山車、御船でのお囃子やそれぞれの装飾がまったく異なるのもその象徴です。

安房国司やわたんまち祭りに出かける前には、少しでもその歴史や由来を調べてから見ると、安房最大のお祭りをいっそう楽しむことができるでしょう。

アクセス

鶴谷八幡宮

住所:千葉県館山市八幡76

TEL:0470-22-1258

交通アクセス

富津館山道富浦IC~鶴谷八幡宮(20分)

電車

JR内房線館山駅下車~鶴谷八幡宮(徒歩20分)

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