
出典:カモ旅
「仁右衛門島(にえもんじま)」は鴨川市太海の沖合いにある周囲約四キロの砂岩で出来た千葉県でも最大の島。
千葉県指定の名勝として、また昭和三十三年に制定された「新日本百景」のひとつに選出された手つかずの自然と伝説に彩られた島なのです。
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雄大な大自然
出典:カモ旅
仁右衛門島の見どころのひとつは島を囲む自然の岩の姿です。
風と波に浸食された岩は、まるで自然が作り上げた巨大な彫刻。
また、こちらは夏は涼しく冬は暖かいという、温暖な気候で知られる鴨川の中でも特に穏やかで温かい環境として知られています。
そのため、植物も四季を通じて折々の花が楽しめます。
南国ならではなおアロエの花や、海のそばでしか楽しめないイソギクやハマカンゾウなど、非常に緑豊かな場所となっています。
特に、「金銀なすび」はひとつの株の中に赤や白、黄色などの実が成る非常に珍しい植物。
見るからに幸運をもたらしそうなその姿から、大きな人気を集めています。
歴史とロマンの島
出典:カモ旅
仁右衛門島は暖かな環境だけでなく、歴史と伝説でも知られています。
まず仁右衛門島の東側にある「神楽岩」。
日蓮聖人が青年だったころ、に清澄山清澄寺で修行中に来島して朝日を拝んだとして伝えられる場所。
その影響からか、島の所有者である平野氏は法華宗に改宗、その伝統が現在にまで伝えられています。
また島の西側には弁財天と寿老人が祀られる「蓬島弁財天祠」があり、こちらは平安時代の末期に宮嶋から勧進したと伝えられる弁財天と、昭和の中頃に寄贈された寿老人が合祀されています。
さらに仁右衛門島で欠かせないのは源頼朝にまつわる伝説。
源頼朝は平清盛に対抗するため挙兵、しかし石橋山の戦いに敗れ房総半島に隠れることを余儀なくされます。
そのとき、頼朝を助けたのが仁右衛門島の島主であった平野氏。
平野氏の助けによって頼朝が隠れた「源頼朝かくれ穴」は今でも島の東側に残っています。
ここには戦勝祈願として稲荷大明神が祀られています。
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島内には多くの歌碑
仁右衛門島は歌の島としても有名です。
江戸時代から仁右衛門島の風光明媚な土地と風景を多くの文化人が愛し、島を訪れたことから島には多くの歌碑が残されています。
特に有名なのは「海暮れて、鴨の声 ほのかに白し」という松尾芭蕉の句碑。
そのほかにも多くの歌人の句が記された碑が建立されているので、俳句に興味がある方は歌碑をひとつひとつめぐっていくのも楽しい経験となりそうです。
またこちらの島の風景を愛したのは歌人だけではありません。
1971年の映画「ガメラ対新海怪獣ジグラ」ではロケ地として仁右衛門島が登場、またつげ義春マンガ「ねじ式」は周辺の太海が舞台となっていることでも有名で、聖地巡りをするファンも少なくないそうです。
仁右衛門島へは船でしか渡れません。
わずか5分ほどの道のりなのですが、ゆったりとした船旅を楽しめるという点も仁右衛門島の魅力なのです。
アクセス
仁右衛門島
住所:千葉県鴨川市太海浜445
TEL:04-7092-3456
開園時間 08:30~17:00
駐車場なし
入園料金
大人 1,350円
中学生 1,050円
5歳以上 950円
各種割引制度あり
交通アクセス
車
館山自動車道君津IC~房総スライライン~仁右衛門島(約1時間)
電車・バス
JR内房線太海駅下車~仁右衛門島(徒歩15分)
JR外房線安房鴨川下車~バス「太海方面行き」仁右衛門島入口下車 徒歩5分
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